温泉の歴史    

 この奥那須の台地一帯は、古くから温泉の名湯として口伝えにより語継がれてまいりました。
又、那須の与一や源頼朝の時代に傷を持つ武将や領民の薬湯として、
更に民衆の触合いの場としても愛され利用されてまいりました。
 さて、この様な歴史と温泉としての文化的伝統を持つ台地に、
幸乃湯温泉が何故に誕生したのか綴りたいと思います。
 皆様もご承知の事とは思いますが、当地は奥那須日光国立公園内に所在致しております。この台地に幾度と訪れ、野鳥・野生動物・天然記念植物の同居する調和のとれた自然を満喫されておられる事と思います。当館の創業者も自然に魅了された一人であり、是非とも多くの人々に気軽に自然を楽しめるようにする方法はないものか思案するようになりました。 ある時、議員の視察研修に参加した際、一風変わった光景が目に飛込んでまいりました。その光景は、おサルと人間が自噴の湯を通して一体となっている姿であり、現代人の心の渇きを満足させるに十分な体験で有りました。この事きっかけに、当地の奥座敷とも言われるこの環境豊かな台地に、自らの手で温泉を通した触合いの場を多くの人々に提供しようと決意したのが、昭和44年の年でした。
 しかし、一口に温泉といってもそんな簡単に掘削して出るものではなく、思案のため台地を訪れ立脚すること百回にもおよび、その間、温泉学の著書や温泉研究の教授又は山を愛する猟師の方々の多くの意見に耳を傾ける毎日でした。ある日、掘削の当たりをつけた一角に目をやると、その一帯を飛び跳ねる真白な犬がおり、不思議に想い掘削の調査をしてみたところ、地中より温泉の放射線が発せられ間違いなく温泉が出るとの科学的結論に達し、昭和54年9月5日掘削に成功し湯量豊富な幸乃湯源泉が誕生いたしました。その後開業迄の二年間は、源泉の目の前に木造手製露天風呂を設置し、無料にて温泉愛好者に源泉の素晴らしさを開放し楽しん頂き、今も尚懐かしき想いでとして多くの方々に語継がれております。
 当館は、昭和59年1月14日に民衆に愛されるお宿を念頭に置き、多くのご協力者を得開業されました。開業から先代創業者の人柄と源泉の魅力にひかれ多くの方々が幸乃湯温泉に訪れております。平成22年で数え27周年の年月を迎えることができました。今後も、創業者の魅了された当温泉地を、お客様に楽しんでいただける様努めてまいります。
奥那須・大正村 幸乃湯温泉